アメリカとメキシコにおける麻薬使用の状況

 ■アメリカでの麻薬使用の現状

2008年の世界保健機構(WHO)の統計によれば、アメリカでは15歳以上人口のうち、何らかの麻薬を使用した経験のある人は42%。2008年には300万人のアメリカ人が違法な薬物をはじめて使用している。つまり毎日8000人以上の人々(その大部分が思春期の若者)若者たちが麻薬を初体験していることになる。そして毎年約17,000人が麻薬中毒が原因で死亡している。北米での麻薬の消費量は、過去40年間ほとんど変わっていない。

アメリカは世界最大の麻薬消費国であり、麻薬文化はヒップホップやロックなど音楽などとも結びついている。

 

メキシコでの麻薬使用の現状

メキシコでは、同じく15歳以上で何らかの麻薬を使用した経験のある人はわずか5.5%。北部国境地帯や都市部では多く、地域格差があるとはいえ、メキシコでの麻薬使用者は、中南米諸国の中でもかなり低い割合である。

 

■使用される麻薬の量と種類

アメリカ国内で使用される麻薬は、国内でも一部生産されるが、大部分はメキシコから持ち込まれる。量的に最も大きいのはマリワナで、20091年間に押収された麻薬1665トンのうち、その98%がマリワナだった。残りが単価の高いコカイン、覚せい剤、ヘロインなど。実際の流通量ははっきりしないが、おそらく押収量の10倍は流通している? 推定によれば、メキシコとコロンビアのカルテルが、卸レベルで年間80億~250億ドルの利益を上げているとされる。