ヘリを銃撃。これが戦争でなくて何なのか?

「ハリスコ新世代」――かのチャポ・グスマンを上回る資金力を誇るともいわれる新興カルテル。どこのカルテルも、実際のところはどうなっているのかよくわからないが、少なくとも軍事力(!)においては政府と渡り合えるくらいの実力を持つことは明らか。こんな状況で、政府は外資導入なんて話ができるんでしょうか?


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銃撃戦により死者7人。ヘリコプターも銃撃: メキシコ・ハリスコ州 

2015年5月2日 BBC Mundo


 51日、メキシコ西部ハリスコ州で、武装集団と治安部隊の衝突により7人が死亡、15人が重軽傷を負った。

国内第2の都市グアダラハラと州内のほかの地区において、朝から40か所で車両が放火され、道路が封鎖され緊張が高まっていた。銃撃戦の最中にヘリコプターが銃撃を受け、搭乗していた兵士3人が死亡。ヘリは緊急着陸した。州当局によると、州検察庁職員1人と市民1人、犯罪グループメンバーとみられる2人が死亡した。さらに兵士13人、市職員1人、犯罪グループメンバーとみられる1人がけがを負った。さらにガソリンスタンド5か所と自動車36台が放火され、11の銀行が襲撃された。

 

「ハリスコ作戦」

国防省の発表によると、ヘリに乗っていた兵士らは、治安回復のための「ハリスコ作戦」により、武装集団の車列を追尾していたところで銃撃を受けたという。この作戦は犯罪組織のメンバーらを逮捕するためのもので、金曜に起こった道路封鎖は、組織の大物が逮捕されたことに対するカルテルの反撃だったとしている。

銃撃を受けたヘリコプターには兵士11人、州警察官2人、乗組員5人が搭乗していた。ペニャ・ニエト大統領はツイッターで、「ハリスコにおいてメキシコ軍兵士が任務遂行中に死亡したことに哀悼の意を表する」と述べた。

ハリスコ州検察庁によると、1日午後115分、車両に放火によって封鎖されていたグアダラハラ都心部の道路は完全に復旧したと発表した。しかしその前に、当局は州都の住民に対し、外出を控えるよう呼びかけており、危険を避けるため、引き続き警戒するようにと述べた。

Guadalajara 

 

ナルコの支配

ハリスコ州ではここ数か月、暴力のレベルが高まっており、4月初めには「ハリスコ新世代」カルテルの待ち伏せにより、15人の警察官が死亡し、5人がけがを負うという事件が起きている。メキシコおよびアメリカの当局によると、この犯罪組織は国内で最強の組織のひとつであるという。アメリカ政府によると、メキシコ国内32州のうち少なくとの7つの州で活動している。金曜の銃撃戦に加わった武装集団が、ハリスコ新世代であるかどうかはまだ明らかになっていない。