このウェブページでは、読みやすさを優先して各文には出典を示していません。これまでに参照した文献のおもなものをとりあえず分野別に並べてみました。
このほかにネットで検索した新聞記事やウィキペディアなどから拾った情報もいろいろ入っていますが省略。
<文化人類学>
Howard, Campbell, Drug War Zone : Frontline Dispatches from the Streets of El Paso and Juárez (Austin, University of Texas Press, 2009)
<政治・社会評論>
Aguilar, Rubén, y Castañeda, Jorge, El Narco: La guerra fallida (México D.F., Punto de Lectura, 2009)
Longmire, Sylvia, Cartel: the Coming Innvasion of Mexico's Drug Wars (New York, Palgrave MacMillan, 2011)
<ルポ>
Hernández, Anabel, Los señores del narco (México D.F., Grijalbo, 2010)
←めっちゃ読み応えあり! 内容もだが、分厚さも…。だがこれを読めば、メキシコの麻薬密輸戦争の裏の世界がわかった気になる。ここまで書いてしまう著者(女性)の勇気に感服。翻訳出させてくれるような奇特な出版社はないものか?
Scherer García, Julio, La Reina del Pacífico: es la hora de contar (México D.F., Grijalbo, 2008) ←ほかのページにも書いた「太平洋の女王」と称されるマフィア、サンドラ・アビラへの聞き書き。
Fleming, Gary "Rusty", Drug Wars: Narco Warfare in the 21th Century (Lexington, Producers Journal, 2008)
Fernández Menéndez, Jorge y Víctor Ronquillo, De los Maras a los Zetas (México D,F., Debolsillo, 2006)
Beith, Malcolm, The Last narco: Inside the Hunt for El Chapo, the World's Most Wanted Drug Lord (New York, Grove Press, 2010) ←ビン・ラディン亡き後、世界で最も多額の懸賞金がかけられている最強の麻薬マフィアのボス、ホアキン・「チャポ」・グスマンの半生を描く。世界7カ国語に翻訳されているとか。
Ioan Grillo, El Narco: Inside Mexico's Criminal Insurgency (Bloomsbury Press, New York, 2011) ←麻薬戦争の現状だけでなく、麻薬密輸の歴史から、最近のナルコをめぐる社会・文化的な側面までフォロー。ナルコの世界が、おそらくいちばんよくわかる1冊。
<自叙伝>
Molly Molloy and Charles Bowden eds., El Sicario: The Autobiography of a Mexican Assassin (Nation Books, New York)
← タイトルは「刺客」という意味のスペイン語だが、本文は英語。メキシコのカルテルで働いたのち、組織を離脱してキリスト教系信仰宗教の信者になった男が半生を語るのをフィルムに収めたイタリアのドキュメンタリー映画を英語に翻訳したもの。カルテルが奨学金(?)を出して有望な若者を警察学校に入れ、卒業後は警察に籍を置きながらもっぱら組織の仕事(殺害・誘拐)をさせる、なんて信じられない話が。もとになったドキュメンタリーは賞を獲得しているという話なので、どこかで公開されないかな?
<その他>
加藤薫『骸骨の聖母 サンタ・ムエルテ――現代メキシコのスピリチュアル・アート』新評論、2012年 ←不勉強で、夏にメキシコから帰ってから出ていたことに気がついた。サンタ・ムエルテ信仰の起源なども詳しい。
<小説>
ドン・ウィンズロウ『犬の力 上・下』角川文庫
←いろいろな麻薬がらみの実際の事件を独自の解釈(しかしかなり当たっていそうな)で取り込んでいて、ある程度その辺の事情を知っていればさらに面白い。
アルトゥーロ・ペレス・レベルテ『ジブラルタルの女王 上・下』二見文庫
←主人公はシナロア出身のメキシコ人女性だが、ペレス・レベルテはスペインの作家なので、おもな舞台はスペイン南端・ジブラルタル。それでもクリアカンでの場面ではおなじみのマルベルデの礼拝堂が出てきたりもする。メキシコで連続テレビドラマになっている。